堀越が執筆した本や、雑誌記事などのレビューです。

キーボード・マガジン 2010年1月号 WINTER(CD付き)
 発売してからちょっと経ってますが、季刊(年4回発行)なんでまだまだ売ってます。本屋さんより、楽器屋さんで見かけることが多いですね。


 ちょっと昔、ハロルド・ローズ (Harold Rhodes) 博士という人が、第2時大戦中、傷ついた兵士の音楽療法のために、戦闘機のパーツやアルミパイプなどを流用して、おもちゃのような「ピアノっぽいもの」を作ったんです。それが改良され、電化され、ソウルやフュージョンなどで一世を風靡したRhodes (Electric) Pianoの各モデルができあがっていったわけです。厚くて丸くまろやかな音色。時にはちょっと攻撃的な音色。日本では初期ユーミン(荒井由実時代)などで松任谷正隆さんが素晴らしい演奏をなさったりしていました。堀越もこの音の大ファンで、90年代の和製R&Bバンドだったエスカレーターズでよく弾いておりました。もちろん今でも僕のメイン楽器です。
(ジャズ/フュージョンで最初に取り入れたのはもちろんマイルス。1968年の「マイルス・イン・ザ・スカイ」のレコーディングで、戸惑うハービーに「これを弾け!」と言ったその時歴史が動いたw)
 で、その流れを組む新製品mark 7発売に合わせて、キーボードマガジンで大特集なのです。

 僕が執筆/フレーズ作成したのは、76ページからの『ローズ奏法を知る』と言う記事で、付録CDで僕自身が譜例の演奏もしています。あとは付録CDの1曲目から、Rhodes Mark I Suitcase 73とFender Rhodes Student Piano 73(いつかこのブログでご紹介した黄色いレアなモデル)の紹介曲を弾いてます(それとカラーページ「ローズ・ピアノのある風景」[56ページ~] が連動しています)。


 いろいろなRhodesの音色を、いろいろなプレイヤーの演奏で聞けるのが、今季号の楽しい部分です。みんな個性豊かですね。僕はどう聞こえてるのかな?(よかったら感想ください/笑)
更に個人的には、YANCYさんご担当の、各種エフェクターをRhodesにかけていく記事が非常に興味深かったです。同じ「フェイザー」同士、同じ「ワウ」同士でもこんなに音が違うんだ!そして違っていてもヴィンテージ・エフェクターはそれぞれ魅力的だということが再発見できるコーナーでした。


 あと、今回の付録CD収録の新製品Mark 7の音についての個人的な意見なんですが、調整次第でヴィンテージRhodesに匹敵する、もっと良い音がするのではないかと思っています。と言うのは、おそらく編集時は日本到着直後であまり調整する時間もなかったでしょうし、また僕が楽器フェアで弾いたMark 7のアクティブ・モデルとパッシブ・モデルは全く違う音をしていたこと、そしてもともとRhodesは調整によって出音が全く変わる(音の固さやアタック感、リリース感も)ものだからです。
 何にせよ、ホンモノのRhodesの音の「リアルさ」(実体感、と言いますか)は、やはりホンモノにしか出せないものです。もし楽器店で見かけたら、触ってみてください。この感覚がきっとわかっていただけることと思います。(僕の知る限り渋谷のイケベ鍵盤堂さんとセンター北の山野楽器さんには置いてありました。)

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